航空輸送に関する高度なモデル化ならびに統計分析に関する技術検討小委員会 ■小委員長 竹林 幹雄(神戸大学) ■活動期間 平成22年11月〜平成25年(秋) ■活動趣旨 90年代以降,世界的な規模で航空輸送における規制緩和・自由化が進行し,輸送市場は拡大の一途にあるといえ る.このような中で,従来の商慣習に囚われない,新しいビジネスモデルを携えて市場に登場した航空会社も少な くない.代表的なものは,低費用航空会社/LCCであることは論を俟たない.このような新しいビジネスモデルの登 場は,ややもすると沈滞化する航空輸送市場を活性化するという意味では非常に喜ばしいことである.しかし,一 方で,航空輸送市場の構造をより複雑にし,効率的な空港運営を行うために,より高度かつ複雑な経営評価モデル を必要とするようになった.  四方を海で大陸と隔絶された我が国において,航空輸送は海上輸送と並ぶ国の対外公益の死命線である.長年に わたり国内需要あるいは日本発着の国際輸送需要に応えるため,需要追随型の空港整備・運営を行ってきた.この ため,特段戦略的に市場を開拓することもなかったため,需要がある程度頭打ちになった現在,多くの空港で需要 不足に悩んでいる.このような状況を打破するために,航空自由化に活路を見いだした感はあるが,具体性は今も って見えない.その原因の一つに,戦略的な航空政策,空港経営立案のための,方法論の不足があると考えられる.  現在のように,市場構造が複雑化した中では,従来行われてきた「利用者(需要側)」にのみ焦点を当てた方法 論ではすでに対応することはできない.サービスの供給側である「キャリア」側の行動にも着目する必要がある. さらにはその上位にある空港管理者,政府の行動と市場との関係も明示的に議論されることが望まれよう.本小委 員会は,こういった従来の需要分析手法を,今日的問題意識により整理するとともに,戦略性を持った航空政策, 空港運営を実現するための方法論,およびそれに関連する各種最新の技術的課題を取り上げ,考究するものである. ■小委員会HP